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障害をお持ちの方々や子どもへの理解とサポート(2) (川上)

このエントリは、障害をお持ちの方々や子どもへの理解とサポート(1)に続くものです。

【注意】
これはアメリカで子どもや家族のカウンセラーとして働いている、私、川上真樹がさまざまな情報と自分の経験とをまとめたものです。問題・必要に応じてぜひ身近な専門家の援助をお受けください。また情報の錯綜で混乱を招くことは避けたいので、既に専門家の方から援助を得られている方は、まずは専門家の方の方針に従うようにしてください。

【支援者の方へ】
各地の避難所には、障害をお持ちの方々やお子さんも身を寄せておられます。
また、里親や、被災者の一時的な滞在先として、そのようなお子さんをお世話することになる方もいらっしゃるでしょう。
周りの理解と気配りが、それらの方々と家族の皆さんの安心とストレスの減少につながると思います。


まず念頭に置いていただきたいことは、私達にとってはありふれた状況であっても、障害をお持ちの方々にとっては恐怖や不安に感じることがたくさんあるということです。
例えば、食料品店。
私達は、製品別に区分けされ棚にきちんと並べられて整理整頓されている場所のように感じますが、感覚過敏な方は、いろんな匂いと色と明るい蛍光灯の光とが一気に入ってくるために、パニック状態になってしまうこともあります。
そしてそんなときに怒ったり無理に説得したりしようとすると、逆効果になってしまいます。
あなたが車を運転していて交差点に差しかかった時、目の前にたくさんの車が、信号も、スピードの制限も、斜線も無い状態で、好き勝手に走っていたら不安になりますよね。
そこに、後ろからクラクションを鳴らされて怒鳴られた状態を想像してみてください。
あなたはさらに混乱して、思わず危険な運転をしてしまうかもしれませんし、パニックになったり、怯えて凍り付いたりしてしまうかもしれません。
障害をお持ちの方がパニック状態になった時に怒られたり説得されたりした時の気持ちというのは、これと同じようなものです。
ですから、障害をお持ちの方やお子さんがパニック状態になったら、まずは、不安やショックになっていることに目を向け、「不安ですよね」とか「イライラするよね」など、気持ちを受け入れてあげる言葉や、安全であることを保障してあげる言葉をかけ、本人の安心感を促すことを、お勧めします。

“もしあなたが一人の自閉症の方に出会ったとしても、それは多種多様な自閉症の個性の中のたった一人に過ぎない”とよく言われますが、私も障害を持つ子どもと働いていて、それを強く感じます。
皆さんがそれぞれ個性を持っているように、障害は同じであっても、一人ひとり障害の状況もその度合いも異なります。
障害を持つ方をサポートするにあたっては、一個人として尊重し、その人にあったニーズに応えることが大切です。
個々人それぞれのニーズを見極めて対策を講じることで、本人がより生活しやすくなるよう援助でき、その結果その困難や興奮や不安も軽減されるのです。

このニーズを見極める際に大切なことの一つとして、自分の視点を一旦忘れ、目の前にいる人や子どもの立場になってみて、その視点や考え方を理解しようとする姿勢があげられます。
また、本人の長所や興味の対象や好きなものに着目することが、より効果のあるサポートや対策を講じる助けにもなるでしょう。その興味や好きなものを利用した、主に視覚支援(子どもが目で見て分かる工夫)の例を下記に紹介しています。

最後に、気配りや援助は大切なことですが、過度に世話を焼いてしまわないような配慮も必要です。
日本児童青年精神医学会の報告によると、阪神・淡路大震災の後、その支援活動の中で子どもたちが世話を焼かれ過ぎたため、かえって何でも人に頼むようになってしまったことが指摘されています。
そのため、例えば「あれ取って」とせがんだり、取ってほしそうな態度を示したりした子どもに対しては、「あれ取って欲しいんだね」など助けを求めていることの理解を示してから、「でもね、自分で取れると思うよ。やってみてごらん。」などと励ますことが一案です。
そして、その子が自分で取れた時に「ほーら取れた!」としっかり誉めて一緒に喜ぶというように、その人やその子が出来ることをきちんと見定めて、積極的に促していくことをお勧めします。

【視覚などを通じたコミュニケーション例】
私との経験では、発達障害の子どもたちは、その子が興味をもっているものや好きなキャラクターを使って、視覚を通じてコミュニケーションをとることによって理解しやすくなります。
また、その子の長所を知ることが、より効果的な対策法を選択するときのカギになります。
例えば、すごく好きなキャラクターを持つ子どもにはパワーカード、読み書きが得意な子どもにはソーシャルストーリーなどが挙げられます。

1.パワーカード(Elisa Gagnon)
子どもが自分の興味を持っているものや好きなキャラクター(例えばピカチュウなど)がその困難を解決するシナリオを紹介して、絵や写真と一緒に対策のオプション等を書いたカードを作る。
例:「ピカチュウは、サトシこれまで数々の試練を共に乗り越えてきた。そしてピカチュウは、動きがとっても速く、最後まであきらめない強い意志を持っている。
そして、チョットした、いたずらをするなどお茶目な一面もある。」@テレビ東京あにてれ
だからぼくもピカチュウのように、
(1)あきらめないで元気にがんばる
(2)足が速いから、走ってお手伝いする
(3)みんなと協力して試練を乗り越える
(4)冗談でみんなを笑わせる

パワーカード

2.コミック・ストリップ・カンバセーション(Carol Gray)
スティックフィギュア(簡単な人の絵)とセリフを使って、マンガ形式で、それぞれのキャラクターに会話形式をさせながら、問題や困難の把握やその解決を説明する。
例:会話での誤解、会話の始め方、ケンカの原因、困っている人の助け方など

■今の困っていることを振り返る
例:考え込んで、誰にも話せないで、部屋に閉じこもって落ち込んでいる

ストリップ1

■解決するためにどうしたら良いか
例:気持ちや考えていることを話して、助けを得る

ストリップ2

3.ソーシャルストーリー(Carol Gray)
子どもと一緒に、日常生活での習慣の簡単な説明から、何が苦手でどうすればうまくやれるかという対策などを文章化する。これは点字でも可能。
例:「僕は小学一年生の鈴木太郎です。僕は人ごみが苦手です。人の多いところに入ると、みんなのしゃべってる声が気になったり、匂いがキライだったり、知らない人がいっぱいで怖くなってパニックになっちゃう。でも、そういう時は、一度外に出て深呼吸をして落ち着いて、人が少なくなるのを待とうと思います。」
(レベルに合わせて、もっと平仮名やふりがなを使って、簡単に行動を箇条書きにしたり、もっと詳細に説明を入れたりして、絵を含めても一ページに収める)”

4.ファイブポイントスケール (Kari Dunn Buron)
問題となる感情や行動などを5段階に分け、その段階ごとに目に見える症状や兆候、気持ちや考え、そして対策を書いた表を作る。特に感情などは抽象的なため発達障害の方々には理解できないことがあるのですが、このように抽象的なものをより具体的で目に見えるものにすることで理解しやすくなります。
例:怒り、恐怖、おしゃべり、等

5ポイントスケール

5.ピクチャーブックやビデオテーピング
正しいやり方と間違ったやり方を実際に演技し、それを写真やビデオに撮ってまとめる。
視覚障害を持つ子どもであれば、録音することも出来ます。
例:会話の始め方、お礼の言い方、慣れない場所での新しいルールなど

ここに挙げたのは、たくさんある視覚支援ツールの中のごく一部です。
この他にも、写真や絵を使ってスケジュールを作ったり、選択を図形化したり、カレンダーを使って見通しを表したりするなど様々な視覚を通してコミュニケーションをとる方法はあります。

しかし、既に説明したように、全く同じ症状や個性がある人や子どもはいません。
目の前の人や子どもの障害の種類や度合い、問題や困難だけでなく、性格や興味や強みも把握することで、同じ技法でも、その人や子どもに一番合うように調整してください。
私は、いつもその人はその人の、その子はその子のことに一番詳しいエキスパートだと思っています。
ですから、目の前の人、子どものことを理解しようとすれば、一緒に効果的な対策を考え出す可能性が増えると信じています。

障害をお持ちの方々や子どもへの理解とサポート(2)も参考になさってください。

(川上真樹 Supervising Professional Clinical Counselorとして子供と家族のカウンセリング治療に携わる)

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